実学と教養について思うところ (1)

ハイライト

  • 「学」には「実学」と「教養」がある
  • 教養を重視する人柄を演じたほうが、世間受けが良い時代?

なぜ「学」の話?

「実学」と「教養」というテーマは、私としては普段からうっすらと考えているものでした。

私自身、数回の転職を経験しているため、資格とかビジネススキルにも興味を持たざるを得ない状況にあったのも影響しているのかもしれません。

一方で本好きでもあり、時折小説を読んだりもします。
小説ではほかの小説をアレンジした話があり、それこそ小説というジャンル全体に対する幅広い知識がないと「著者が狙った真の面白み」にたどり着けないこともあります。
真の面白みにたどり着けたときの面白さはひとしおですが。

資格やビジネススキルといえば、典型的な「実学」で、言ってみれば「経済的に豊かになるための知識・技能」です。一方、音楽、文学、宗教への造詣などは「教養」で、「精神的に豊かになるための知識・技能」と言えるでしょう。

言葉の定義

ではまず、「実学」と「教養」で辞書を引いてみます。

「実学」とは

社会生活に実際に役立つ学問。医学・法律学・経済学・工学など。江戸時: 代の蘭学、明治時代の職業教育などもさす。

「教養」とは

2.㋐学問、幅広い知識、精神の修養などを通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力。また、その手段としての学問・芸術・宗教などの精神活動。㋑社会生活を営む上で必要な文化に関する広い知識。「高い教養のある人」「教養が深い」「教養を積む」「一般教養」

「教養がある」というステイタス

個人的な感想ですが、世間一般では歴史、クラシック音楽、古典文学や直木賞・芥川賞受賞作を読了したりしていると「あの人は教養があるね」といわれ、尊敬の念を感じる表現をされます。

一方でバリバリ仕事ができる人に対して「あの人は実学があるね」とは言っているところを聞くことはありません。逆に、「あの人は仕事はできるんだけど…」といわれることがあるくらいで。

仕事ができる人は当然尊敬されますが、日々の業務を確実にこなし、ノルマを達成している人が尊敬されることが少ないご時世だと感じています。会社員や主婦(主夫)の方は、心当たりがあるのではないかと思います。
でも、会社や家庭が滞りなく(時には滞りますが、)回っているのは、日々なすべきことをなしている人によるものだと私は考えています。
彼(彼女)らはもっと尊敬されるとよいと思うのですが、そうでないのが現実のようです。

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